結論
Self-Attentionは、クエリ・キー・バリューをすべて同じ系列から作り、系列の中の要素どうしの関係を捉えます。Source-Target Attentionは、クエリを出力側(デコーダ)の系列から、キーとバリューを入力側(エンコーダの出力)から作り、入力と出力の系列の対応を捉えます。
比較表
| 観点 | Self-Attention | Source-Target Attention |
|---|---|---|
| 別名 | 自己注意機構 | Encoder-Decoder Attention、クロスアテンション(Cross-Attention) |
| クエリを作る系列 | 同じ系列 | 出力側の系列(デコーダ) |
| キーとバリューを作る系列 | 同じ系列 | 入力側の系列(エンコーダの出力) |
| 捉える関係 | 1つの系列の中の要素どうしの関係(例:代名詞と、それが指す語) | 2つの系列の間の対応(例:訳語と、原文のどの語が対応するか) |
| 元のTransformerでの位置 | エンコーダの各層と、デコーダの各層(デコーダでは未来の位置を隠すマスク付き) | デコーダの各層だけ(マスク付きSelf-Attentionの次) |
| 未来の位置を隠すマスク | デコーダで使う場合は必要 | 不要(入力側の系列は最初からすべてそろっている) |
| 使っているモデルの例 | BERT(エンコーダのみ)、GPT(デコーダのみ)、Vision Transformer | 元のTransformerの翻訳モデル、文章の指示を取り込む画像生成の拡散モデル |
| シラバス項目 | 技術分野 項目23 Attention | 技術分野 項目23 Attention |
それぞれの説明
Attentionは、クエリと各キーとの関連度から重みを求め、その重みでバリューを足し合わせる仕組みです。Transformerでは、どちらもsoftmax(QK^T / √d_k) Vという同じ式で計算します。違いは、クエリとキー・バリューをどの系列から作るかにあります。
Self-Attention
クエリ・キー・バリューを、すべて同じ系列から作ります。各単語が、同じ文の中のすべての単語との関連度を計算し、文脈を反映した表現を作ります。「彼女は駅で友人に会い、彼に本を返した。」なら、「彼」の表現を作るときに「友人」へ大きな重みを置く、といった働きです。
元のTransformerでは、エンコーダの各層と、デコーダの各層の両方にあります。デコーダ側では、まだ生成していない後ろの位置を参照しないように、マスクをかけます。エンコーダだけを使うBERTも、デコーダだけを使うGPTも、Attentionの部分はSelf-Attentionだけでできています。
Source-Target Attention
クエリを出力側(デコーダ)の系列から、キーとバリューを入力側(エンコーダの出力)から作ります。翻訳なら、訳文を作っているデコーダが「次の訳語には原文のどこが必要か」を問い、原文の各位置と照らし合わせて情報を集めます。Transformerの論文での呼び名はEncoder-Decoder Attentionで、クロスアテンションとも呼ばれます。
元のTransformerでは、デコーダの各層で、マスク付きSelf-Attentionの次に置かれます。原文は最初からすべてそろっているので、未来の位置を隠すマスクは要りません。2つの異なる系列をつなぐための仕組みで、現在は、画像生成モデルが文章の指示を取り込む部分などにも同じ形のAttentionが使われています。
見分けるコツ
- クエリとキー・バリューが同じ系列から来ていればSelf-Attention、別々の系列から来ていればSource-Target Attentionです。計算式は同じで、違うのは入力の出どころだけです。
- クエリを出すのは「情報を探す側」です。Source-Target Attentionでは、訳文を作っているデコーダが探す側になります。クエリとキー・バリューの出どころを入れ替えた説明に注意します。
- 2014年にBahdanauらがRNNのSeq2Seqに加えたAttentionは、デコーダがエンコーダ側を参照するもので、Source-Target Attentionの考え方にあたります。系列の処理そのものをSelf-Attentionで行うようにしたのが、2017年のTransformerです。
◯×チェック
-
元のTransformerでは、デコーダのどの層のSource-Target Attentionも、エンコーダの最終層の出力からキーとバリューを作る。
答えを見る
答え ◯ 正しい
エンコーダの層を積み重ねた最後の出力が、デコーダの全層で共通に参照されます。デコーダの層ごとに、エンコーダの対応する層を見るわけではありません。
-
Self-Attentionでは、各要素は自分自身には注目できず、自分以外の要素との関連度だけを計算する。
答えを見る
答え × 誤り
各要素のクエリは、自分自身のキーとも内積をとります。自分自身への重みも含めて、合計が1になるように重みを計算します。
-
Source-Target Attentionが出力する系列の長さは、キーとバリューを作った入力側(エンコーダ側)の系列の長さと同じになる。
答えを見る
答え × 誤り
出力はクエリ1つにつき1つ作られるので、デコーダ側の系列と同じ長さになります。入力側の長さは、各出力を作るときに足し合わせるバリューの数を決めます。
関連問題
問題の一覧(2問)
出典と作成について
作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)
公開日: 最終更新日: 最終確認日:
対応シラバス:シラバス第1.4版 技術23
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版(技術分野 項目23 Attention)2026年10月30日閲覧
- Ashish Vaswani et al., Attention Is All You Need (2017)(3.1 Encoder and Decoder Stacks / 3.2 Attention / 3.2.3 Applications of Attention in our Model)2026年10月30日閲覧
- Dzmitry Bahdanau, Kyunghyun Cho, Yoshua Bengio, Neural Machine Translation by Jointly Learning to Align and Translate (2014)2026年10月30日閲覧
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