結論
LSTMは、隠れ状態とは別の記憶セルと、入力・忘却・出力の3つのゲートで情報の出し入れを制御するRNNです。GRUは、記憶セルを持たず、リセットゲートと更新ゲートの2つで制御するLSTMの簡略版で、パラメータが少なく計算が軽く済みます。
比較表
| 観点 | LSTM | GRU |
|---|---|---|
| 英語 | long short-term memory | gated recurrent unit |
| 提案 | 1997年(HochreiterとSchmidhuber)。忘却ゲートは2000年の研究で追加 | 2014年(Choら、機械翻訳の研究の中で) |
| ゲート | 入力ゲート・忘却ゲート・出力ゲートの3つ | リセットゲート・更新ゲートの2つ |
| 情報を保つ場所 | 隠れ状態とは別の記憶セル | 隠れ状態だけ(記憶セルを持たない) |
| 重みの組(隠れ状態の大きさが同じとき) | 4組 | 3組(LSTMの約4分の3) |
| 勾配消失への効果 | 記憶セルを足し算で更新する経路があり、単純なRNNより起きにくい | 更新ゲートが前の隠れ状態をそのまま残す経路を作り、単純なRNNより起きにくい |
| 精度 | GRUと同程度。課題によって優劣が入れ替わる | LSTMと同程度。課題によって優劣が入れ替わる |
| シラバス項目 | 技術分野 項目22 回帰結合層 | 技術分野 項目22 回帰結合層 |
それぞれの説明
LSTM
LSTMは、単純なRNNが苦手な、長い時間にわたる依存関係を学ぶために、1997年に提案されました。隠れ状態とは別に記憶セルを持ち、次の3つのゲートで情報の出し入れを調整します。
- 入力ゲート:新しい情報を記憶セルにどれだけ書き込むか
- 忘却ゲート:記憶セルの内容をどれだけ残すか
- 出力ゲート:記憶セルの内容をどれだけ隠れ状態として外に出すか
記憶セルは、前の内容に新しい情報を足し算で加えて更新されます。そのため、誤差が過去へ伝わる途中で消えにくくなります。最初のLSTMには忘却ゲートがなく、2000年の研究で加えられました。
GRU
GRUは、2014年にChoらが機械翻訳の研究の中で提案しました。記憶セルを持たず、隠れ状態だけで情報を保ちます。ゲートは次の2つです。
- リセットゲート:新しい隠れ状態の候補を作るとき、前の隠れ状態をどれだけ使うか
- 更新ゲート:前の隠れ状態をどれだけ残し、候補をどれだけ取り込むか
更新ゲートは、LSTMの忘却ゲートと入力ゲートを1つにまとめた働きをします。出力ゲートはありません。
どちらを選ぶか
隠れ状態の大きさが同じなら、LSTMは重みを4組、GRUは3組持ちます。GRUのほうがパラメータが少なく、学習も推論も軽く済みます。精度は、2014年のChungらの比較実験で同程度と報告され、課題によって優劣が入れ替わります。計算資源が限られるならGRUを試し、実際には両方を検証データで比べて選ぶこともあります。
どちらも単純なRNNで起きやすい勾配消失を緩和しますが、勾配爆発まで防ぐものではありません。学習では、勾配クリッピングを併用することがあります。
見分けるコツ
- ゲートの数で見分けます。入力・忘却・出力の3つならLSTM、リセット・更新の2つならGRUです。
- GRUの更新ゲートは、LSTMの忘却ゲートと入力ゲートの働きを1つにまとめたものと考えます。GRUには、出力ゲートにあたるものがありません。
- 「どちらかが常に高精度」という選択肢は誤りです。主な違いは構造の簡単さと計算量で、精度は課題しだいです。
◯×チェック
-
GRUの更新ゲートは、LSTMの出力ゲートにあたるもので、隠れ状態のうち外に出す量だけを決める。
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答え × 誤り
更新ゲートは、前の隠れ状態をどれだけ残し、新しい候補をどれだけ取り込むかを決めます。LSTMの忘却ゲートと入力ゲートをまとめた働きで、GRUには出力ゲートにあたるものがありません。
-
GRUのリセットゲートが0に近いとき、新しい隠れ状態の候補は、前の時刻の隠れ状態をほとんど使わず、現在の入力を中心に作られる。
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答え ◯ 正しい
リセットゲートは、候補を作るときに前の隠れ状態をどれだけ使うかを決めます。前の隠れ状態を最終的にどれだけ残すかは、更新ゲートが別に決めます。
-
LSTMでは、出力ゲートを閉じても記憶セルの内容そのものは消えず、記憶セルの内容を消すかどうかは忘却ゲートが決める。
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答え ◯ 正しい
出力ゲートが調整するのは、記憶セルの内容を隠れ状態として外に出す量です。GRUには、この読み出しの量を調整するゲートがありません。
関連問題
問題の一覧(1問)
出典と作成について
作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)
公開日: 最終更新日: 最終確認日:
対応シラバス:シラバス第1.4版 技術22
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版(技術分野 項目22 回帰結合層)2026年10月30日閲覧
- Sepp Hochreiter, Jürgen Schmidhuber, Long Short-Term Memory, Neural Computation 9(8), 1735–1780 (1997)2026年10月30日閲覧
- Felix A. Gers, Jürgen Schmidhuber, Fred Cummins, Learning to Forget: Continual Prediction with LSTM, Neural Computation 12(10), 2451–2471 (2000)2026年10月30日閲覧
- Kyunghyun Cho et al., Learning Phrase Representations using RNN Encoder-Decoder for Statistical Machine Translation (2014)2026年10月30日閲覧
- Junyoung Chung, Caglar Gulcehre, KyungHyun Cho, Yoshua Bengio, Empirical Evaluation of Gated Recurrent Neural Networks on Sequence Modeling (2014)2026年10月30日閲覧
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