強化学習(シラバス 技術9)
1行の定義と◯×チェックは用語『強化学習』の解説にあります。
学習目標
環境とのやり取りで得られる報酬を手がかりに行動の選び方を学ぶ強化学習の考え方を、教師あり学習・教師なし学習との違いとともに理解し、価値を学ぶ手法と方策を直接学ぶ手法の代表例、ビジネスでの使いどころを説明できるようにします。
要点
強化学習とは
エージェントが環境の中で行動を選び、その結果として受け取る報酬をもとに、行動の選び方(方策)を改善していく方法です。教師あり学習と違い、各場面での正解の行動は与えられません。教師なし学習と違い、報酬という評価の手がかりがあります。目標は1回ごとの報酬ではなく、将来まで含めた報酬の合計を大きくすることです。
問題の枠組み
- マルコフ決定過程:状態・行動・報酬・状態の移り変わりで問題を表す枠組みです。次の状態と報酬の確率は、現在の状態と行動だけで決まり、それ以前の経緯にはよらないと仮定します。
- 割引率:将来の報酬を現在の価値に換算する0から1の係数です。1に近いほど遠い将来の報酬も重視し、0に近いほど目先の報酬を重視します。
- 状態価値関数:ある状態から方策に従って行動したときに得られる、割引した報酬の合計の期待値です。
- 行動価値関数:ある状態である行動をとり、その後は方策に従ったときの、割引した報酬の合計の期待値です。Q値とも呼びます。
探索と活用:バンディットアルゴリズム
報酬の分布がわからない複数の選択肢から、よいものを見つけつつ報酬を稼ぐ問題を扱います。いちばんよさそうな選択肢を選ぶ「活用」と、まだよく知らない選択肢を試す「探索」の配分が鍵です。
- ε-greedy方策:確率εで行動を無作為に選び、それ以外は推定価値が最も高い行動を選びます。
- UCB方策:推定価値に、試した回数が少ないほど大きくなる上乗せを加え、その合計が最大の行動を選びます。
価値ベースの手法
行動価値関数を学び、価値の高い行動を選びます。
- Q学習:次の状態で最も価値の高い行動をとると仮定してQ値を更新します。実際に行動している方策とは切り離して学ぶ方策オフ型です。
- SARSA:次の状態で実際に選んだ行動のQ値を使って更新します。行動中の方策そのものを評価する方策オン型です。名前は、更新に使う状態・行動・報酬・次の状態・次の行動の頭文字です。
方策ベースの手法
- 方策勾配法:方策をパラメータで表し、報酬の合計の期待値が大きくなる方向へパラメータを直接更新します。ロボットの関節角度のような連続した行動も扱いやすい手法です。
- REINFORCE:方策勾配法の代表的なアルゴリズムです。エピソードを最後まで実行し、実際に得た報酬の合計から勾配を見積もります。
- Actor-Critic:行動を選ぶActor(方策)と、その行動を評価するCritic(価値関数)を同時に学びます。Criticの評価を使うことで、方策の更新が安定しやすくなります。
ビジネスでの応用
広告や推薦の出し分けにはバンディットアルゴリズムがよく使われます。そのほか、ロボットや設備の制御、ゲームAI、在庫や価格の調整など、試行と結果を繰り返して行動を改善できる場面で活用されています。
G検定で問われる深さ
ベルマン方程式の導出や更新式の暗記は不要です。状態価値関数と行動価値関数の違い、Q学習とSARSAの更新の違い、ε-greedy方策とUCB方策の探索のさせ方、価値ベースと方策ベースの違いを言葉で説明できれば十分です。
つまずきやすい点
- Q学習は次の状態で最大のQ値を使い、SARSAは実際に選んだ次の行動のQ値を使う、という更新の違いを逆に覚えること
- 割引率を1に近づけるほど将来の報酬を重視し、0に近づけるほど目先の報酬を重視する、という向きの取り違え
- REINFORCEは価値関数ではなく方策を直接更新する方策勾配法の一種であり、Actor-Criticは方策(Actor)と価値関数(Critic)を組み合わせる手法である点
- 強化学習には正解の行動は与えられないが、報酬という評価の手がかりがあるため、教師なし学習とも異なる点
シラバスのキーワード
Actor-Critic、ε-greedy方策、REINFORCE、Q学習、UCB方策、行動価値関数、状態価値関数、バンディットアルゴリズム、方策勾配法、マルコフ決定過程、割引率、SARSA
練習問題
混同しやすい用語
この項目の関連用語
出典と作成について
作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)
最終更新日: 最終確認日:
対応シラバス:シラバス第1.4版 技術9
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版(技術分野 項目9 強化学習)2026年10月30日閲覧
- Richard S. Sutton, Andrew G. Barto, Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed., MIT Press (2018)2026年10月30日閲覧
- Christopher J. C. H. Watkins, Peter Dayan, Q-learning, Machine Learning 8(3-4), 279–292 (1992)2026年10月30日閲覧
- Ronald J. Williams, Simple statistical gradient-following algorithms for connectionist reinforcement learning, Machine Learning 8(3-4), 229–256 (1992)2026年10月30日閲覧
- Peter Auer, Nicolò Cesa-Bianchi, Paul Fischer, Finite-time Analysis of the Multiarmed Bandit Problem, Machine Learning 47(2-3), 235–256 (2002)2026年10月30日閲覧