機械学習(シラバス 技術5)

1行の定義と◯×チェックは用語『機械学習』の解説にあります。

学習目標

専門家の知識を人手で書き込む方法の限界を、データから規則を学ぶ機械学習がどう補ったかを理解し、ビッグデータを背景に広がったスパムフィルタ、レコメンデーションエンジン、統計的自然言語処理の考え方と、特徴量を増やしすぎたときに起こる次元の呪いを説明できるようにします。

要点

知識を書く方法からデータで学ぶ方法へ

第2次AIブームのエキスパートシステムは、専門家の知識を人がルールとして書き出していました。知識が増えるほど書く手間も矛盾も増え、ここが行き詰まりの原因になりました。機械学習は、データから判断の規則やパターンをコンピュータ自身に学ばせる方法です。1990年代後半から2000年代にかけて、インターネットの普及で集まるデータが急に増え、計算機も安く速くなったことで、実用的な場面で広く使われるようになりました。

ビッグデータ

ビッグデータは、閲覧や購買の記録、SNSの投稿、センサーの値など、従来の方法では扱いきれないほど大量で多様なデータのことです。量(Volume)、種類(Variety)、生まれる速さ(Velocity)の3つのVで説明されることが多く、表形式のデータだけでなく、文章・画像・音声も含みます。機械学習にとっては、学習の材料が一気に増えたことを意味します。

代表的な応用

  • スパムフィルタ:利用者が迷惑メールと報告したメールなど、正解ラベル付きのメールから単語の出現傾向を学び、新しいメールを振り分けます。教師あり学習の分類問題で、ナイーブベイズを使った方法が古くから使われてきました。
  • レコメンデーションエンジン:購買や閲覧の履歴から好みを推定し、商品や動画を薦めます。多くの利用者の行動履歴から似たパターンを見つける協調フィルタリングと、商品そのものの特徴が似たものを薦めるコンテンツベースフィルタリングがあります。ECサイトでは2000年代初めに実用化されていました。
  • 統計的自然言語処理:文法や訳し方の規則を人が書く代わりに、大量の文書データ(コーパス)から、単語の出現確率や語どうしの対応を学びます。統計的機械翻訳は、原文と訳文の組を大量に集め、訳語の対応や語順の傾向を確率で表します。1990年前後にIBMの研究者が示した方式がよく知られています。2010年代後半からは、ニューラルネットワークを使う翻訳が主流になりました。

次元の呪い

データを表す項目(特徴量)の数を次元と呼びます。次元の呪いは、次元が増えると、空間を埋めるのに必要なデータ量が指数関数的に増える問題です。各特徴量を10の区間に分けると、特徴量が2つなら100通り、3つなら1,000通りの組み合わせができます。データが同じ量のままだと空間はすかすかになり、偶然のパターンまで覚え込む過学習が起きやすくなります。距離で似たデータを探す方法も効きにくくなります。

対策は、役に立つ特徴量だけを選ぶこと、主成分分析などで次元を減らすこと、データを増やすことです。

ディープラーニングへのつながり

この時期の機械学習では、どの特徴量を使うかを人が考えて設計する必要があり、その出来が性能を大きく左右しました。特徴量そのものをデータから学ぶディープラーニングが、次の中項目のテーマです。

G検定で問われる深さ

各応用のアルゴリズムや式の中身までは不要です。機械学習が広まった背景(データの増加と計算機の進歩)、各キーワードが何をするものか、次元の呪いが起こる理由と対策を説明できれば十分です。協調フィルタリングなど推薦の手法の違いは「教師なし学習」で押さえます。

つまずきやすい点

  • 次元の呪いは、データの量が同じまま特徴量を増やすと、データがまばらになって過学習しやすくなる問題で、特徴量は多いほどよいとは限らない点
  • スパムフィルタは、迷惑メールかどうかのラベルが付いたメールから学ぶ教師あり学習の分類で、ラベルを使わずに似たものをまとめるクラスタリングとは違う点
  • 統計的自然言語処理は大量の文書データから確率を学ぶ方法で、文法や翻訳の規則を人が書くルールベースの方法と対になる点
  • スパムフィルタやレコメンデーションエンジンは、ディープラーニングが注目される前から実用化されていた機械学習の応用である点

シラバスのキーワード

次元の呪い、スパムフィルタ、ビッグデータ、レコメンデーションエンジン、統計的自然言語処理

練習問題

  1. 次元の呪いへの対処
  2. 機械学習の普及と応用例
  3. スパムフィルタの機械学習化
  4. 次元の呪いと必要データ量
  5. ビッグデータの特徴と品質
  6. 行動履歴を使う推薦の注意点

混同しやすい用語

この項目の関連用語

AIで作成 人による確認:未 誤りを報告

出典と作成について

作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)

最終更新日: 最終確認日:

対応シラバス:シラバス第1.4版 技術5

出典

改訂履歴

人工知能をめぐる動向の中項目
  1. 探索・推論
  2. 知識表現とエキスパートシステム
  3. 機械学習
  4. ディープラーニング

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