探索・推論(シラバス 技術3)

学習目標

探索・推論がどのような問題に使われるかを具体例で説明し、探索木の調べ方やゲームの先読みに使われる代表的な手法の考え方を説明できるようにします。

要点

第1次AIブームの中心

1950年代後半から1960年代の第1次AIブームでは、コンピュータに探索と推論をさせる研究が中心でした。問題の状態を1つずつたどり、ゴールに至る道筋を見つけるという考え方です。

探索木と2つの基本戦略

問題の状態を節点、状態の移り変わりを枝として、木の形に表したものを探索木と呼びます。迷路なら、スタート地点が根になり、分かれ道ごとに枝分かれします。

  • 幅優先探索:根に近い節点から順に、同じ深さの節点をすべて調べてから次の深さへ進みます。手数の最も少ない解を見つけられますが、調べ途中の節点を覚えておくため、メモリを多く使います。
  • 深さ優先探索:1本の枝を行き止まりまで進み、解がなければ1つ戻って別の枝を試します。メモリは少なくて済みますが、最初に見つかった解が最短とは限りません。

ハノイの塔は、探索で解ける問題の代表例です。3本の棒のあいだで、小さい円盤の上に大きい円盤を置かないように全体を移します。円盤がn枚なら、最短で「2のn乗から1を引いた回数」の移動が必要です。

プランニングと積み木の世界

  • STRIPS:1971年に発表されたプランニングの仕組みです。行動を「前提条件」「行動」「結果」の組で記述し、目標の状態に至る行動の並びを探します。
  • SHRDLU:テリー・ウィノグラードが1970年前後に開発したシステムです。積み木が置かれた仮想の世界で、英語の指示を理解して積み木を動かし、状況についての質問にも答えました。

ゲームの先読み

  • ブルートフォース:すべての可能性をしらみつぶしに調べる方法です。抜けはありませんが、チェスや囲碁では手の組み合わせが爆発的に増え、現実的な時間では終わりません。
  • Mini-Max法:自分の番では自分にとっての評価値が最大になる手を選び、相手の番では相手がその評価値を最小にする手を選ぶと仮定して、先読みの結果から手を決めます。
  • αβ法:Mini-Max法の探索の途中で、結果に影響しないとわかった枝をそれ以上調べずに打ち切ります(αカット・βカット)。選ばれる手は変えずに、調べる節点を減らせます。
  • モンテカルロ法:ある局面から終局までランダムに打ち進める試行(プレイアウト)を何度も繰り返し、その勝率で局面のよさを見積もります。よい評価関数を人が作りにくい囲碁で成果を上げ、のちのAlphaGoでもディープラーニングと組み合わせて使われました。

G検定で問われる深さ

アルゴリズムを実装できる必要はありません。幅優先探索と深さ優先探索の長所と短所、Mini-Max法とαβ法の関係、モンテカルロ法が局面をどう評価するかを、言葉で説明できれば十分です。

つまずきやすい点

  • 幅優先探索は最短の解を見つけられるがメモリを多く使い、深さ優先探索はメモリが少なくて済むが最短の解とは限らない、という対応を逆に覚えること
  • αβ法は結果に影響しない枝を省くだけで、Mini-Max法と違う手を選ぶわけではないこと
  • モンテカルロ法は、人が設計した評価関数ではなく、ランダムなプレイアウトの勝率で局面を評価すること
  • SHRDLU(積み木の世界で英語の指示を理解)とSTRIPS(前提条件・行動・結果によるプランニング)の取り違え

シラバスのキーワード

αβ法、Mini-Max法、SHRDLU、STRIPS、探索木、ハノイの塔、幅優先探索、深さ優先探索、ブルートフォース、モンテカルロ法

練習問題

  1. 幅優先探索と深さ優先探索の違い
  2. αβ法による枝刈りの性質
  3. ゲームAIのモンテカルロ法
  4. ハノイの塔の最短手数と探索
  5. Mini-Max法とαβ法の計算
  6. STRIPSとSHRDLUの役割と限界
ほかの5問
  1. ブルートフォースと組合せ爆発
  2. STRIPSの行動による状態の変化
  3. 深いゴールまでの探索ノード数
  4. Mini-Max法の前提と適用範囲
  5. プレイアウトの勝率と試行回数

混同しやすい用語

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出典と作成について
人工知能をめぐる動向の中項目
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  4. ディープラーニング

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