マルチエージェント強化学習(MARL)とは

まるちえーじぇんときょうかがくしゅうMulti-Agent Reinforcement Learning略語 MARL別名 マルチエージェント強化学習

1行定義

マルチエージェント強化学習(MARL)とは、同じ環境の中で複数のエージェントが同時に行動し、それぞれが強化学習で行動の選び方を学ぶ枠組みのことです。

くわしく

協調・競争・その混合

エージェントどうしの関係には、共通の目標に向けて協力する協調型、利害が対立する競争型、その両方を含む混合型があります。チーム対戦のゲームは混合型の代表で、味方とは協力し、相手のチームとは競います。

単一エージェントとの違い

1体だけで学ぶ強化学習では、同じ状態で同じ行動をとれば、環境は同じ仕組みで反応すると考えます。MARLでは、ほかのエージェントも学習によって方策を変えていきます。そのため、各エージェントから見ると、環境の性質が学習の途中で変わってしまいます。これを非定常性と呼び、学習が不安定になる大きな原因です。過去に蓄えた経験も今の状況を表さなくなるため、経験再生をそのまま使いにくくなります。

代表的な工夫

よく使われるのが、集中学習・分散実行という考え方です。学習の間は、ほかのエージェントの方策などの情報も使って行動の価値を評価し、実行するときは、各エージェントが自分の観測だけで行動を決めます。2017年に発表されたMADDPGは、この考え方をActor-Criticに取り入れ、協調型にも競争型にも使えるようにしました。

深層強化学習での事例

  • OpenAI Five:5対5で戦うDota 2を大規模な自己対戦で学び、2019年4月に世界王者のチームに勝ちました。
  • アルファスター(AlphaStar):StarCraft IIで、多数のエージェントをリーグ形式で戦わせて鍛えました。主力の弱点を突く役のエージェントも加えています。

覚え方

「相手も学ぶから、環境が動き続ける」と覚えます。

G検定での出題

単一エージェントの強化学習との違いとして、ほかのエージェントの学習によって環境が変化する非定常性、協調と競争の両方を扱えること、アルファスター(AlphaStar)やOpenAI Fiveなどの事例との対応が問われます。

シラバスでは「マルチエージェント強化学習(MARL)」と表記されています。

混同しやすい用語

用語意味
マルチタスク学習関連する複数のタスクを1つのモデルで同時に学習し、タスク間で共通の知識を共有させて、それぞれの性能を高めようとする手法

◯×チェック

  1. 集中学習・分散実行の考え方では、学習中はほかのエージェントの情報も使えるが、実行時には各エージェントが自分の観測だけをもとに行動を決める。

    答えを見る

    答え ◯ 正しい

    学習の段階では追加の情報を使って学習を進めやすくし、実行の段階では各エージェントが自分の観測だけで動けるようにする考え方です。MADDPGなどの手法で使われています。

  2. 全エージェントが同じ報酬を共有する協調型の設定であれば、各エージェントが独立に学習しても、ほかのエージェントの方策の変化に影響されることはない。

    答えを見る

    答え × 誤り

    協調型でも、味方のエージェントは学習によって方策を変えていきます。そのため、各エージェントから見た環境は変化し続け、非定常性の問題は残ります。

  3. マルチエージェント強化学習では、経験再生のために蓄えた過去の経験が、ほかのエージェントの方策が変わった後では、現在の状況を正しく表さなくなることがある。

    答えを見る

    答え ◯ 正しい

    同じ状態で同じ行動をとっても、相手の方策が変われば結果が変わるためです。DQNの学習を安定させた経験再生を、そのままでは使いにくい理由になります。

練習問題

マルチエージェント強化学習(MARL)の問題(1問)
  1. マルチエージェント強化学習の特徴

AIで作成 人による確認:未 誤りを報告

出典と作成について

作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)

公開日: 最終更新日: 最終確認日:

対応シラバス:シラバス第1.4版 技術29

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