オートエンコーダ(シラバス 技術24)

1行の定義と◯×チェックは用語『オートエンコーダ』の解説にあります。

学習目標

入力を小さな表現に圧縮してから元に戻すように学習するオートエンコーダの仕組みを理解し、次元削減や事前学習での使われ方と、潜在変数を確率分布として扱い新しいデータを生成できる変分オートエンコーダ(VAE)およびその派生手法の特徴を説明できるようにします。

要点

圧縮して元に戻す仕組み

オートエンコーダは、入力を小さな表現に圧縮するエンコーダと、そこから入力を復元するデコーダをつないだニューラルネットワークです。出力が入力にできるだけ近づくように学習します。正解は入力そのものなので、正解ラベルを用意する必要がありません。

基本の形では、真ん中の層のユニット数を入力より少なくします。この層の値(潜在変数)は、入力を復元するのに必要な情報を、少ない数値で表したものです。

主な使い道

  • 次元削減:潜在変数を元のデータの要約として使います。活性化関数をすべて線形にして二乗誤差で学習すると、主成分分析(PCA)と同じ空間に圧縮することが知られています。非線形にすれば、より複雑な構造をとらえられます。
  • 異常検知:正常なデータだけで学習すると、異常なデータはうまく復元できません。復元誤差が大きいものを異常と判断します。
  • ノイズ除去:ノイズを加えた入力から、元のきれいなデータを復元するように学習させます。

積層オートエンコーダと事前学習

2000年代半ばまで、層の深いネットワークは勾配消失などのためにうまく学習できませんでした。2006年にヒントンらが、層ごとに順番に学習してから全体を調整する方法を示し、積層オートエンコーダもこの流れで広まりました。

  1. 入力に近い層から、1層ずつオートエンコーダとして学習します(事前学習)。
  2. 学習した層の出力を入力にして、次の層を同じように学習します。
  3. 積み上げたエンコーダの最後に出力層を加え、ラベル付きのデータでネットワーク全体を調整します(ファインチューニング)。

事前学習でよい重みの初期値が得られ、深いネットワークでも学習が進むようになりました。現在は、ReLU関数や重みの初期化の工夫、正規化層などで深いネットワークを直接学習できるため、この方法はあまり使われません。

変分オートエンコーダ(VAE)

VAEは、エンコーダが潜在変数の確率分布(正規分布の平均と分散)を出力するオートエンコーダで、2013年にキングマとウェリングが提案しました。損失は、復元誤差と、潜在変数の分布を標準正規分布に近づけるためのKL情報量の和です。

この学習で潜在空間がなめらかに整い、学習後は、標準正規分布から取り出した値をデコーダに通すだけで、新しいデータを生成できます。

VAEの派生手法

手法変えた点ねらい
β-VAEKL情報量の項に1より大きい重みβをかける向きや明るさなど、要因ごとに分かれた潜在変数を得る
VQ-VAE潜在変数を、学習した代表ベクトルの集まり(コードブック)のうち最も近いものに置き換える離散的な表現で、質の高い画像や音声を生成する
info VAE入力と潜在変数の相互情報量を保つように目的関数を変えるデコーダが潜在変数を無視してしまう問題などを抑える

β-VAEは、βを大きくするほど要因が分かれやすくなる一方、復元の精度は下がりやすくなります。

G検定で問われる深さ

エンコーダとデコーダの役割、正解ラベルなしで学習できる理由、積層オートエンコーダによる事前学習の手順、VAEが潜在変数を分布として扱う点を説明できれば十分です。VAEの損失の導出や派生手法の数式は不要で、それぞれ何を改良したかを一言で言えれば足ります。

つまずきやすい点

  • オートエンコーダは入力そのものを正解として学習するため、正解ラベルを用意しなくてよい点
  • 通常のオートエンコーダは入力を潜在空間の1点に対応させ、VAEは平均と分散で表す確率分布に対応させる点。VAEは潜在空間が標準正規分布に沿って整うため、そこから取り出した値で新しいデータを生成できる
  • 積層オートエンコーダでは、層ごとの事前学習を正解ラベルなしで行い、最後に出力層を加えてラベル付きのデータでファインチューニングする、という順番
  • β-VAEはKL情報量の重みを大きくして要因ごとに分かれた表現をねらう手法、VQ-VAEは潜在変数を離散的な代表ベクトルに置き換える手法、という改良点の取り違え

シラバスのキーワード

VQ-VAE・info VAE・β-VAE、次元削減、事前学習、積層オートエンコーダ、変分オートエンコーダ(VAE)

練習問題

  1. オートエンコーダの派生手法
  2. 積層オートエンコーダの学習手順
  3. VAE派生手法の改良点
  4. PCAとオートエンコーダの比較
  5. 再構成誤差による異常検知
  6. オートエンコーダとVAEの潜在空間

混同しやすい用語

この項目の関連用語

AIで作成 人による確認:未 誤りを報告

出典と作成について

作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)

最終更新日: 最終確認日:

対応シラバス:シラバス第1.4版 技術24

改訂履歴

ディープラーニングの要素技術の中項目
  1. 全結合層
  2. 畳み込み層
  3. 正規化層
  4. プーリング層
  5. スキップ結合
  6. 回帰結合層
  7. Attention
  8. オートエンコーダ
  9. データ拡張

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