データの収集・加工・分析・学習(シラバス 技術36)

学習目標

AIの学習に使うデータをどこから集め、どう整えて学習と評価に回すかの流れを理解し、オープンデータセットやコーパスを使うときの注意、アノテーションの品質の保ち方、データリーケージの防ぎ方を、具体的な場面に当てはめて判断できるようにします。

要点

データ準備の4つの段階

AIの精度は、手法よりもデータの量と質で決まることが少なくありません。実務では次の段階を行き来しながら進めます。

  1. 収集:自社の業務データ、オープンデータセット、Webから集めたデータなどを用意します。
  2. 加工:欠損や表記ゆれを直し、アノテーションで正解ラベルを付けます。
  3. 分析:分布や偏りを確かめ、学習に使えるかを見極めます。
  4. 学習:学習用・検証用・テスト用に分け、モデルを学習して評価します。

オープンデータセットとコーパス

オープンデータセットは、研究や開発のために公開されたデータの集まりです。画像認識のImageNetやMicrosoft COCOが代表例で、手法の性能を同じ条件で比べるベンチマークにも使われます。コーパスは、文章や発話を大量に集め、コンピュータで検索や分析ができるように整えたデータです。言語モデルの学習などに使われます。

使う前に、次の3点を確かめます。

  • 利用条件:ライセンスで商用利用の可否や出典の表示が決められています。公開されていても、条件の範囲でしか使えません。
  • 偏り:撮影地域や話者の属性が偏っていると、自社の利用場面で精度が落ちます。
  • 権利:Webから集めたデータには、著作物や個人情報が含まれることがあります。著作権法や個人情報保護法の扱いも確認します。

どこから、どのように集めたかを記録しておくと、後で問題が見つかったときにたどれます。

アノテーション

アノテーションは、データに正解ラベルやタグを付ける作業です。画像なら物体を囲む枠、文章なら感情の分類などを付けます。教師あり学習では、ラベルの質がモデルの性能を左右します。

  • 判断に迷う例を含めた作業基準を作ります。
  • 同じデータを複数人で付け、一致の度合いを確かめます。
  • 外部委託やクラウドソーシングで量を確保するときも、抜き取りで検査します。

データリーケージ

データリーケージは、本番の予測時点では使えない情報や、評価用のテストデータの情報が学習に紛れ込み、検証の評価だけが不当に高くなる現象です。本番に出すと精度が大きく落ちます。

典型例起きていること防ぎ方
解約予測に「解約受付日」の列を入れる答えそのものが特徴量に入っている予測の時点で手に入る情報か確かめる
売上の時系列データをランダムに分割する未来のデータで過去を当てている時間の順に分割する
同じ患者の画像が学習用とテスト用の両方にある個人の特徴を覚えて当てている患者単位で分割する
全データの平均で正規化してから分割するテスト用データの情報が学習側に漏れている学習用データだけで統計量を求める

検証の精度が不自然に高いときは、まずリーケージを疑います。

G検定で問われる深さ

データセットの名前や規模を数多く覚える必要はありません。アノテーションの質がモデルの性能を左右すること、公開されたデータにも利用条件があること、データリーケージが起こる典型的な場面とその防ぎ方を、事例で判断できれば十分です。

つまずきやすい点

  • データリーケージは、予測の時点では手に入らない情報やテスト用データの情報が学習に紛れ込み、検証の評価だけが高く出る現象で、社外への情報漏洩とは別の意味である点
  • オープンデータセットは誰でも入手できるが、商用利用の可否や出典の表示などの条件はデータセットごとに異なり、自由に使えるとは限らない点
  • アノテーションの基準があいまいだと作業者ごとにラベルがぶれ、モデルはそのぶれまで学習してしまう点
  • 正規化や欠損値の補完に使う平均などを、テスト用データを含む全データから計算するのもリーケージになり、統計量は学習用データだけで求める点

シラバスのキーワード

アノテーション、オープンデータセット、コーパス、データリーケージ

練習問題

  1. データリーケージの防止策
  2. アノテーションの品質管理
  3. オープンデータセットとコーパス
  4. タスクに応じたコーパスの種類
  5. アノテーションの負担を減らす工夫
ほかの2問
  1. 同一個体をまたぐデータ分割
  2. ベンチマークのコンタミネーション

AIで作成 人による確認:未 誤りを報告

出典と作成について

作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)

最終更新日: 最終確認日:

対応シラバス:シラバス第1.4版 技術36

改訂履歴

AIの社会実装に向けての中項目
  1. AIプロジェクトの進め方
  2. データの収集・加工・分析・学習

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