1行定義
ダイバーシティとインクルージョンとは、多様な背景をもつ人がいること(多様性)と、その誰もが排除されずに参加できること(包摂性)を目指す考え方のことです。
くわしく
ダイバーシティ(多様性)は、性別、年齢、国籍、障害の有無、専門分野などが異なる人がいる状態です。インクルージョン(包摂性)は、その一人ひとりが排除されずに受け入れられ、参加して力を発揮できる状態です。人がそろっていても、一部の人の声が届かなければ、インクルージョンは実現しません。
AI事業者ガイドラインは、「人間中心のAI社会原則」を引き継ぎ、基本理念の1つに「多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity and Inclusion)」を掲げています。シラバスでは、インクルージョンが項目17、ダイバーシティが項目18のキーワードです。
AIの恩恵を誰にでも届ける
AIの恩恵が一部の人にしか届かないと、格差が広がります。AI事業者ガイドラインは共通の指針で「多様性・包摂性の確保」を挙げ、いわゆる情報弱者や技術弱者を生じさせないよう、ユニバーサルデザインやアクセシビリティの確保などを示しています。一方で、AIには、障害のある人の社会参加や多文化共生を助ける力もあります。
開発と評価の体制に多様な視点を
AIの偏りは、データだけでなく、作る人の視点の偏りからも生じます。2018年のGender Shadesの研究は、顔画像から性別を判定する市販の3つのAIで、肌の色が濃い女性の誤り率が最大34.7%だったのに対し、肌の色が薄い男性では最大0.8%だったことを示しました。似た背景の人だけで開発や評価をすると、こうした問題に気づきにくくなります。
米国NISTのAIリスクマネジメントフレームワークは、AIのリスクに関する意思決定に、属性、専門分野、経験などが多様なチームの知見を反映させることを挙げています。AIガバナンスでは、開発チームや倫理アセスメントの担当に、背景の異なる人や開発に直接関わらない人を加えることが、見落としを減らす手立てになります。
G検定での出題
AIの恩恵から取り残される人を生まないための配慮(インクルージョン)と、開発や評価の体制に多様な視点を取り入れること(ダイバーシティ)が問われます。データの偏りや公平性の問題と結びつけた事例が中心です。
シラバス『その他の重要な価値』の要点まとめ、シラバス『AIガバナンス』の要点まとめ
法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
◯×チェック
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ダイバーシティは多様な人がいる状態を指すのに対し、インクルージョンは、その多様な人が排除されずに受け入れられ、参加できている状態を指す。
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答え ◯ 正しい
多様な人がいても、一部の人の意見が反映されなかったり、サービスを使えなかったりすれば、インクルージョンは実現していません。両者はセットで考えます。
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AI事業者ガイドラインの別添は、RAG(検索拡張生成)を活用すれば、生成AIの回答が収束して多様性が失われるおそれはなくなるとしている。
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答え × 誤り
別添1の「多様性・包摂性の喪失」は、社会全体が同じモデルを同じ使い方で使うと回答が収束しうると指摘しています。RAGを活用した場合は、収束が加速して多様性がさらに失われる可能性にも触れています。
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AI事業者ガイドラインは、共通の指針の「多様性・包摂性の確保」で、いわゆる情報弱者や技術弱者を生じさせず、より多くの人がAIの恩恵を受けられるよう注意を払うことを挙げている。
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答え ◯ 正しい
具体的な例として、ユニバーサルデザインやアクセシビリティの確保、関連するステークホルダーへの教育・フォローアップなどを示しています。
練習問題
ダイバーシティとインクルージョンの問題(2問)
出典と作成について
作成:ウカトレ編集部(AIで作成し、別のAIが一次資料と照合。手順は編集方針)
公開日: 最終更新日: 最終確認日:
法令・ガイドライン等は2026年10月31日時点の内容にもとづきます。
対応シラバス:シラバス第1.4版 法律・倫理17・法律・倫理18
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版(法律・倫理分野 項目17 その他の重要な価値)2026年10月31日閲覧
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版(法律・倫理分野 項目18 AIガバナンス)2026年10月31日閲覧
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日)(第2部A「基本理念」②、第2部C「共通の指針」1)人間中心 ④多様性・包摂性の確保、3)公平性 ②人間の判断の介在)2026年10月31日閲覧
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添(付属資料)」(2026年3月31日)(別添1 B. AIによる便益/リスク「AIによる便益」(脚注7)・「多様性・包摂性の喪失」、別添3 B「④多様性・包摂性の確保」関連の具体的な手法)2026年10月31日閲覧
- NIST, Artificial Intelligence Risk Management Framework (AI RMF 1.0), NIST AI 100-1(2023年1月)(GOVERN 3、GOVERN 3.1)2026年10月31日閲覧
- Joy Buolamwini, Timnit Gebru, Gender Shades: Intersectional Accuracy Disparities in Commercial Gender Classification, FAT* 2018, PMLR 81:77–912026年10月31日閲覧